さいたま市 岩槻区 動物病院

狂犬病の怖さ

狂犬病

狂犬病は、罹患した動物の唾液に含まれるウィルスが咬傷により体内に入り込むことで感染します。アメリカやヨーロッパではコウモリが主な感染源となっており、狂犬病という名前だからといって犬だけが感染する訳ではありません。
幸いなことに、日本国内での狂犬病の発生はこの50年間で1件もありませんが、隣国から船や飛行機で運ばれてくる可能性(特に北海道や沖縄に着岸する船からの上陸)は大いに残されています。
当院の院長が大学で講義を受けたとき(10年前)は世界11地域が狂犬病清浄国だったのですが、現在はたった6地域に限られています。日本を含むそのいずれもが島国です。このことからも、日本は海に守られていることと、もし上陸した場合の狂犬病の蔓延するスピードがうかがえます。
一般に、外部から病原体が持ち込まれた場合に蔓延させないための防御力として、集団の7割以上に予防接種がなされていないと十分な効果を発揮しないとされています。実際のところ、日本の狂犬病予防法におけるワクチンの接種率は4割を切っています。この状態で狂犬病ウィルスが日本国内に持ち込まれると、あっという間に広がっていきます。

狂犬病は「全ての哺乳類に感染すること」「発症すると治療法がないこと」が大変な脅威です。ワンちゃんを守るためなのはもちろんですが、飼い主様自身の身を守るためにも、ぜひ狂犬病ワクチンの定期接種を受けてください。

厚生労働省 狂犬病のページ

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/

農林水産省 狂犬病のページ

http://www.maff.go.jp/j/syouan/kijun/wto-sps/oie/pdf/sankou3_rabies.pdf

狂犬病予防

狂犬病ウィルスは人を含むすべての哺乳類が感染し、発症すると治療方法がなく致死率はほとんど100%という恐ろしい病気です。世界では年間5万人を超える人が狂犬病で死亡しています。
我が国では狂犬病予防法により、1年に1回、狂犬病の予防接種を義務づけられています。これに違反すると30万円以下の罰金に処されることがあります。
狂犬病は人にも移る病気ですので、大切な愛犬が飼い主様の脅威にならないよう、定期的に予防接種を受けるようにしてください。
行政の指導では4~6月頃が狂犬病の予防シーズンと定められていますが、これに限らずいつでも接種することは可能ですので、狂犬病を一度も打ったことがない、あるいは前回からの接種時期が過ぎてしまったという場合にも、まずは病院にご相談ください。

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